バード・ウォッチング天国

バード・ウォッチング天国

スリランカはこれまで、鳥類の研究者や保護団体により、アジア地域における「バード・ウォッチングの穴場」として認識されてきた。 スリランカは渡り鳥達にとっての冬期の滞在場所であると同時に、元来生息している鳥達の住み家でもある。

実際、スリランカはバード・ウォッチング天国とも呼ばれており、国中で確認されているだけで、463種もの鳥類が生息している。そのうち、30種の固有種、つまりスリランカでしか発見されていない種が確認されている。

コロンボ大学の鳥類学研究の組織である、Field Ornithology Group of Sri Lankaが編纂したスリランカの全鳥類リストを見てみると、スリランカには、約15種もの夜行性鳥類が生息しており、そのため、夜のバード・ウォッチングを楽しむ本格的なバード・ウォッチャー達は皆、常時この国に注目している。

セイロンミドリワカケインコ、アカガオバンケンモドキ、ハイビタイアオバト、スリランカコサイチョウ、キビタイゴシキドリ、スグロヒヨドリ、セイロンジツグミ、セイロンハナドリ、セイロンサンジャク――と、これだけの顔ぶれを挙げても、スリランカでしか見ることができない美麗な鳥達の中のごく一部にすぎない。

スリランカでは、約200種の渡り鳥が観測され、そうした鳥達は、北の寒さを避け、主に北インド、シベリア、スカンジナビアおよび西ヨーロッパから年に一度渡ってくる。結果として、渡り鳥がスリランカの海岸に到達する12月(渡り鳥の第一弾が到達し始めるのは8月以降である)は、国内で最も多くの鳥類が観察できる絶好の月と言える。

渡り鳥のバード・ウォッチングでもとりわけ壮観な光景のひとつが、8月に、北部ではマンナール沿岸、南部ではブンダラ国立公園で見られる、オオフラミンゴの大群の飛来である。
このフラミンゴ達は、パキスタンのカッチ地方から飛来しているとの確認がとれており、数ヶ月にわたり同地域で常時見ることができる。

鳥類保護区は、この島国じゅうに数多く点在する自然保護区やサファリ・パークの内部にある。シンハラジャ熱帯雨林、ホートン・プレインズ国立公園、キトゥルガラの森林地帯、ブンダラ国立公園、マンナール沿岸、クマナ国立公園、ヤーラ国立公園、ウィルパットゥ国立公園、ウダワラウェ国立公園、カラメティヤ鳥類保護区、ボディナーガラ森林保護区は、スリランカの中でもバード・ウォッチングをするのに最もよい場所と考えられている。

シンハラジャ森林保護区は、ユネスコ生物圏保護区およびユネスコ世界遺産地であるが、スリランカで最も広大な原生熱帯雨林でもあり、その結果として、鳥類の固有種が最も多く目撃される場所となっている。11ヘクタールを超える陸地部分を覆い尽くす森林帯では、高低差の範囲が、海抜200mから1300mまで広がっている。

森林被覆の程度が高く、気象条件が多様であるといった全ての要素が結びつき、スリランカの鳥達が最も多く集まる生息地のひとつとなっている。ここ何年もの間、300種もの鳥類がシンハラジャ熱帯雨林で確認されており、ほぼ全ての固有種もこの中に名を連ねている。

ホートン・プレインズ国立公園は、バード・ウォッチャーに大変人気のある、もうひとつの場所であり、陸地部分で3,000ヘクタールを超える広大な地帯にわたって広がっており、高度は海抜2,000mを超える。草原と低海抜に叢生する植生が広がっているため、この国立公園では多様性に富んだ鳥類が見られ、そのうちの20種は固有種であり、4種はホートン・プレインズ国立公園でしか見ることができない種で、セイロンサンジャク、セイロンヒタキ、セイロンメジロ、セイロンカノコモリバトがそれにあたる。

セイロンケズメシャコ、セイロンヤケイ、キビタイゴシキドリ、セイロンヤブチメドリ、セイロンオウギセッカは、よく知られている種の中に入るが、セイロンルリチョウは、公園内でもなかなかお目にかかれない鳥とされており、バード・ウォッチャーの誰もが、見つけ、そして観察しようとして、大抵多くの時間を費やすことになる。

スリランカでは、国内のどんな場所を旅していても、極めて美しく、鮮やかで、そして魅力に溢れた鳥達のいずれかに出逢えるはずだ。

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